紙本著色仏涅槃図 神田宗庭善信筆
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更新日:2025年5月7日
浅草寺
令和7年登載
沙羅双樹に囲まれた宝床に横たわる釈迦如来を画面中央に描き、その周囲には嘆き悲しむ会衆の姿が表されています。画面上部には、釈迦の母である摩耶夫人の一行が見えます。装丁は描表装で、総縁には濃藍地に金彩の宝相華文、中縁と風袋には若草色地に金彩の唐草文が施されています。
印章から、作者は神田宗庭三代目の善信であることが確認できます。神田宗庭一門は江戸時代前期から幕末にかけて続いた絵師の家系で、代々「神田宗庭」を名乗り、寛永寺や浅草寺で仏画制作を担いました。神田宗庭一門の特徴として、濃彩による緻密な描写と描表装を好む点を挙げることができ、本図にもその特色が顕著にみられます。
浅草寺には、善信筆の「熊谷稲荷縁起絵巻」(台東区指定文化財)、「如意輪観音像」(台東区文化財)、「稲荷大明神像」(台東区文化財)も伝わっており、本図は善信の画業を考える上でも重要な作品です。
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