板絵金地著色一ツ家図 歌川国芳筆
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更新日:2025年5月9日
浅草寺
令和7年登載、同7年指定
「板絵金地著色一ツ家図」は、安政2年(1855)に浅草寺の観音開帳にあわせて奉納された絵馬です。画題の「一ツ家」は、浅茅ヶ原(現在の花川戸)にまつわる石枕の伝承をもとに、江戸中期以降、浅草寺の観音信仰や姥ヶ池の由来と結びつけられました。
画面右側には、老婆の娘、老婆、そして稚児に姿を変えた観音菩薩が描かれています。作者の歌川国芳は幕末の浮世絵師で、初代歌川豊国の門人として名を芳三郎といい、一勇斎と号しました。奉納者は、新吉原京町一丁目にあった妓楼・岡本楼の主人であることが、銘文から明らかになっています。
「板絵金地著色一ツ家図」は浅草寺に所縁のある一ツ家伝説を題材にした絵馬であり、地域的背景や寺院との関わり、画題との結びつきが密接にみられる点で貴重な作品です。また、国芳は「一ツ家図」を数多く手がけており、得意とした画題であったと考えられることから、国芳の画業を考察する上でも重要な作品です。
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